怒髪天「夷曲一揆」
私が個人的に敬愛しているバンド、怒髪天。
元々はハードコア・パンク・バンドとして、始まったバンドでありながら、
彼らの音楽性はロックやポップスから、バラードやパンクまで幅広い。
自分たちの音楽性をJAPANES R&E(リズム&演歌)と称し、その名に違わぬ音楽を届けていてくれます。
そんな彼らの約2年4ヶ月ぶりとなるアルバム「夷曲一揆」が7/11にリリースされました。
まず印象的なのがジャケット。
Amazonさんだと表示されておりませんが、筋骨隆々な男の褌姿。
インパクトがあり過ぎる。
潔い、というかテイチク(レコード会社)もよくOK出したなぁと(苦笑)
さて、アルバムの内容について。
詳しい楽曲の解説はバンドのギタリストであり、全作曲を手がける上原子友康さんが特設サイトでご自身でされているので、そちらを見ていただいた方が早いかと。
なので簡単に触れていきます。
今作は特に注目すべき点はボーカル増子直純さんによる歌詞だと思います。
いつも以上に直球で、言いたいことを言いまくっている感じです。
特にアルバムの核となっている『HONKAI』
“目覚まし代わりに / 頭の上をビュンビュン / ミサイルが飛んでく / 悪い冗談みたい”
“それでも会社も / 学校も休みじゃない / いよいよヤバくねぇか? / 正気の沙汰じゃねぇ”
“嫌なモノは嫌だ / 死ぬのは怖いんだ / これ以上の理由が / 何処にあるって言うんだ?”
“代替え案なんか / 考えてるうちに / どんどん事態は / 悪化してるのに”
世相への風刺を効かせた歌詞が強烈。
増子さん自身がインタビューで語られているが・・・
ロックバンドとは何か?ロックバンドの矜持とは?
かつてのロックやパンクは反社会的だったり、不平や不満、言いたいこと言う代弁者であった。
それを再定義する意味合いも込めて、痛烈でストレートな歌詞が描かれている。
怒髪天 LIVE「HONKAI」from 暖機運転TOUR 2018 "4人は、未だアイドリング中" 2018.4.11@渋谷CLUB QUATTRO
『HONKAI』のようにただ風刺を効かせるだけ終わらないのが、また怒髪天の良いところで。
人情や哀愁、人の喜怒哀楽の感情など増子さんが日々思うことがいろんな楽曲に散りばめられています。
『春、風船』のように戻らない日々をいつかは忘れていくという事実を突きつけられるだけの悲しい曲もあれば、
『初めての旅につき』のような自己肯定のような曲もあって。
『希望丸より愛をこめて』のようにグッと胸に迫る曲や『シンプルマン』のようにただただ本当に生きていくことをシンプルに歌うだけの曲もあり。
真っ直ぐに、胸を抉られるようなアルバムになっていると思います。
私がとやかく書くより、上記に挙げたインタビュー記事を読んで頂いて、CDショップなどで試聴して頂いた方が早いかと思います(苦笑)
怒髪天の音楽は本当に飾りっ気なしで、ストレート且つシンプルで。
とやかく何かを語る必要があまりないように思います。
聴けばわかる。
ぞれだけでいいような気もします。
まぁ、とても濃いバンドなので聴き慣れるのに時間がかかったりはしますが(苦笑)
1つ言えるのは、ハマるととことん楽しいバンドだということぐらいですね。
遡った記事も少し載せておきます。