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好きなことを、気ままに、好き勝手に、綴る。

早見沙織「Concert Tour 2019 “JUNCTION”」東京国際フォーラム

早見沙織さん「Concert Tour 2019 “JUNCTION”」東京国際フォーラム公演を観に行ってきました。
以前から彼女のライブを観てみたいと思っていたのですが、なかなか機会に巡り会えず。
しかし昨年、リリースされた2ndアルバム「JUNCTION」を聴いて、これは是が非でも観に行くべきだと確信し、観に行くことにしました。
本当は大阪公演のみを観に行く予定でした。
しかし、大阪公演での早見さんを目の当たりにし、あの歌声と演出、作り出された空間と雰囲気に感動し、東京公演も観に行きたいなぁ、と心が揺れ動きまして。
尚且つ、大阪の会場の音響に納得がいかなかった、と言いますか早見さんの持ち味を活かし切れていないと思えたので、東京公演も観に行こうと思い立ったのです。
それに東京国際フォーラムは音響が素晴らしい、という噂を聞いていたことも拍車をかけたのかもしれません。
そんなわけで公演2週間ほど前にチケットを購入し観に行ってきました。
 
結果、観に行って良かった・・・と心の底から思えるライブを観させて頂きました。
ライブ、というものが非日常空間を味わうものだとしたら、思う存分に体感・体験させて頂いたように思います。
音楽という名のキャンパスに、色とりどりの歌と音で、水彩画だったり、モノクロだったり、点描画だったり、油絵だったりと描き出された絵はとても綺麗でした。
観終わった後に「ああ、楽しかったなぁ」と感じるとともに「また明日も生きていこう」という活力を与えられたと思います。

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会場内のBGMに耳を傾けながら開演時間を過ぎること数分。
暗転。
場内の至る所から拍手が巻き起こる。
ステージ前にはスクリーンがかけられており、その奥にはバンド・メンバーの姿が見える。
ゆったりとオープニング・セッションが始まり、スクリーンにはプロジェクション・マッピングで映像が映し出される。
光の点が溢れ、鳴らされる音とシンクロするかのように点が線へと変わり、道を描き、交差し、アルバム・ジャケットに使われてる「JUNCTION」のロゴが描き出され、歓声があがる。
スクリーンが上がり始め、ファンクネスを感じさせるイントロが奏でられ始める。
『Let me hear』だ。
ステージの真ん中にはピンク色の衣装を身にまとった早見さんの姿。
始めから「東京、楽しんで行こう!」と客席に呼びかけ、煽る。
ソウルフルで伸びやかな歌声で一瞬にしてこの空間を支配していく。
強靭なバンド・サウンドに体を揺らしながらも早見さんの歌声を全身で浴びる。
時折、マイクを会場に向けて観客も歌わせて盛り上げていく。
お客さんも楽しそうだけれど、早見さん自身も実に楽しそうに歌っている。
重厚感のあるリズム隊の演奏とパワフルなピアノによるイントロで続いて始まったのは『secret』
アップテンポなジャジー・ナンバーを艶っぽく歌い上げていく。
黒須克彦さんの跳ねるようなベースとかどしゅんたろうさんのドラムが秀逸で、そこに鮮烈なピアノが加わって。
そのサウンドの上に軽やかな早見さんの歌声が乗っていて、気持ち良すぎて細かくリズムを取りながら踊ってしまいました。
前曲とはガラッと曲調が変わり、非常にポップな『やさしい希望』で縦横無尽に伸びていく透き通る歌声を堪能しながら、楽しそうに歌う早見さんの姿に目が釘付けになる。
サウンド的に全公演生演奏にこだわった音作りがされており、東京公演ではベース、ドラム、キーボード、ギターの4人編成に加えてヴァイオリン2人、コーラス2人が加わった8人編成。
ヴァイオリンとコーラスが加わることで大阪公演とはまた違った音の重なりに華やかさが増している。
竹内まりやさん提供曲である『夢の果てまで』でアクセントをつけながらもしっとりと聴かせ、レトロな曲調に大正浪漫を感じさせる。
「こんばんは!」とここで一旦MC。
早見沙織「Concert Tour 2019 “JUNCTION”」へようこそお越しくださいました。たくさんの方にお越し頂き、本当に嬉しいです。」
「今日はツアーの最終日になります。最後ですから思い残すことなく、余すところなく楽しんで行ってください。」
「それじゃあ、また次の楽しい曲どうぞ!」
そう言って豊かなピアノのイントロの音色で始まったのはJewelry
曲名通り、宝石のように煌めくメロディに乗りながら、ポシティブな歌詞を早見さんが歌うと物凄いエネルギッシュで“パワー”や“エール”を与えてくれている、と感じました。
またラスサビで“大丈夫 信じることがパワー”とお客さんに歌わせて、それに応えるように“唱えて いつも負けない君に また会えるよね”と歌詞を一部変えて歌っていたのは印象的でした。
緩やかにテラス席に誘(いざな)われた『SUNNY SIDE TERRACE』ではなんだか聴きながらも、早見さんが友人とテラス席で話をしている映像が脳裏に浮かんできたりして。
早見さんの歌声とコーラスのハーモニーに、陽だまりの暖かさを感じながら聴いてました。
黒田晃年さんによるギターの鳴かせ方も実に気持ちが良かったです。
曲がアウトロへと向かう中、早見さんが横に置かれているシンセサイザーmicroKORGを弾き始め、電子音が鳴り響きスイッチするかのように『メトロナイト』へ。
この曲の切り替え方は本当に素晴らしかったと思います。
大阪公演で初見した時には物凄く興奮しました。
AORやシティポップの要素を感じさせる楽曲で、早見さんの歌い方も凛々しさがあってカッコよくて、グッと楽曲の世界に引き込まれますね。
曲の終盤ではサビの“もっと”の部分をお客さんに歌わせて、盛り上げていくのは楽しかったです。
ここで再びステージ前にスクリーンが下り、静まり返った会場にアコギを爪弾く音が響き渡る。
寄り添うようにキーボードの音色が加わり、スクリーンには神秘的な映像が映し出される。
『白い部屋』
穏やかに、優しく語りかけるように歌う早見さんの歌声と、どこか荘厳さも感じさせるようなサウンド
そしてスクリーンに映し出された映像と、聴覚だけでなく視覚からも訴えかけられ、感情が揺さぶられる。
歌声が体の隅々にまで染み込んでくるような錯覚すら覚える。
なんだろう、歌声と音と映像で築き上げられたこの空間・雰囲気の美しさに鳥肌が止まりませんでした。
そしてそのまま、シューゲイザー『祝福』がエモーショナルに歌われ始める。
早見さんやバンド・メンバーが作り出した空気感に完全に飲み込まれる。
人の営み、生命の息吹、命の鼓動、感情の揺れ幅、明日への祈り、美しさと儚さ、強さと弱さ、希望と絶望、魂の輝き。
森羅万象を感じさせられ、ただジッと聴き入って、身動きできない。
気がつけば何か温かいものが頬を伝っていました。
感動に打ち震えるのも束の間『HAYAMI inst (interlude:forgiveness)』で柔らかなピアノの音色とコーラスに包み込まれ、安堵感・安心感を覚える。
スクリーンが上がり、気がつけばステージ上にはグランドピアノと白いドレスのような衣装に着替えられた早見さんだけ。
おもむろに早見さんがピアノを弾き始め、歌われ出したのは『星になって』
ピアノの弾き語りスタイルというシンプルさ故に剥き出しになった早見さんの歌声の良さを噛みしめるように聴き入る。
抑揚の広さ、発音の良さ、透明感、豊潤な歌声。
切なくも前を向いた歌詞が胸に沁みる。
「『星になって』という曲で、約2年半ぶりに歌いました。」
とここで軽めのMC。
「みなさん、まったりのんびりと聴いて下さいませ。じゃあもう1曲歌いますね」
「『琥珀糖』という曲で、先ほど歌った『Jewelry』というキラキラハッピー楽曲・・・キラキラハッピー楽曲とは?」
と言って次に歌う曲の説明を始めるのだけれど、ご自身で言った言葉にふと疑問を抱き、自問自答してしまう天然なのかふわっとしたトークがまた、歌っている姿とギャップがあり過ぎて面白いし、可愛らしかったです。
「『Jewelry』のカップリングに入っている曲なのですが、見た目は宝石みたいなんですけども食べたら溶けてなくなってしまうお菓子の話です」
琥珀糖』
2番はカットされていたようで短めではありましたが、それでも十分過ぎるぐらい素敵な弾き語りでした。
「久しぶりに弾き語りましたので、結構緊張しますね」
「じゃあ、ちょっとお話でもしましょうか」とちょっと長めのMCへ。
「東京以外から来られた方はどれぐらいいらっしゃるのでしょうか?」と早見さんの問いかけにあちこちで手が上がる。
「1/3のぐらい?どこからいらしたのですか?」とまた問いかけるとお客さんたちが方々で各地の地名を叫ぶ。
まるで聖徳太子のように全ての声を聞き分けられる・・・わけもなく「千葉だけ聞こえた」と笑いを誘う。
「この日のために来て頂きありがとうごさいます。じゃあ今日、初めて早見沙織の実物を観る人は?」の問いにちらほらと挙手するお客さんたち。
それを見て「ありがとうございます。こちらが等身大です」と自分を示す早見さんが可愛らしかったですね。
「女子(おなご)の顔も見えますね。幅広い世帯、性別の方に来て頂いて嬉しいです。」
「時事ネタですけど、これが平成最後のライブになる人?」
この問いかけには会場にいるほとんどの人が手を挙げており「多い〜。」と驚きの声をあげつつ、感謝を述べる早見さん。
直近で行ったツアー、北海道での食べ物の話をふわふわっと話している姿と歌っている姿はやはりギャップがあり過ぎて。
しかも食べ物の話は嬉々とした表情を浮かべていらしたのは印象に残りました。
ただ食べ物の話だけでなく、ツアー毎に反省会もやって、それを各地で反映させたりして東京公演を迎えていることを話す。
「ツアー一緒に回って下さっている方はわかるかと思いますが、もう1曲新曲を歌いたいと思います」と新曲の話。
ツアー中に完成させられればいいなぁと思っていた新曲を、メロディは出来ているものの歌詞がなく、広島・大阪・北海道と各地で歌詞を全部“ラララ”で歌って来ていたけれど、歌詞ができたことを報告すると客席から歓声が上がる。
歌詞に込めた想いを語り『カーテン』と曲名を告げて弾き語られ始める。
“僕らだけのカーテンが開く”
“一番近くに感じたい”
“あなたを思って 歌うよ”
断片的ですが、こんな感じの歌詞だったかと思います。
柔らかで温かくあり、切なくもあり、愛情を感じさせるような曲だったと思います。
フルで歌詞は完成しているものの、今回は1番のみの披露だそうで「いつかどこかでフルでお届けしたい」と歌い終えてから語る。
「色々終わったり始まったりしますが、それでも何か今共有している人とずっと同じものを見ていけたらいいなという想いを込めました」と話し、拍手が巻き起こる。
バンド・メンバーが再びステージに戻り、東京公演は新たにヴァイオリンとコーラスが加わっていることを嬉しそうに話し「それじゃあ次の曲に行きましょう」と『ESCORT』
ジャズ・テイストながらもグルーヴィな楽曲で、よく伸びる歌声でクールに歌う早見さんに思わず痺れる。
ボサノヴァっぽいアレンジが施された『little forest』で、重ねられるコーラスの波が心地良く、心が解きほぐされていく。
続けて始まったのはジャズのスタンダード・ナンバー『Fly me to the moon』のカバー。
個人的にはフランク・シナトラが歌うこの曲がとても好きで。
まさか早見さんが歌う『Fly me to the moon』が聴けるとは思いもしませんでした。
前半はしっとりと、後半では軽やかな感じに、とガラッとリズム・アレンジも違っていて、しかしそれすらも巧みに歌いこなす早見さんの力量には度肝を抜かされました。
圧倒的な歌声と技量にただただ感嘆してしまいました。
「ちょこっとジャズ・ボーカルを習っていた時に練習していた曲で、母とデュエットしていた。」と語りつつ「某25歳児のキャラクターに声を吹き込んでいるのですけれども、そちらでも歌わせて頂いていて。二重に感慨深いです」と話す。
前半と後半でアレンジが違うのは黒須さんがカッコよく仕上げて下さったそうで、黒須さんのアレンジ力も凄いなぁと改めて思わされました。
『白い部屋』から着席しながら聴いていた客席に向けて「そろそろ血を流してみませんか?」と立つのを促す。
「最終公演なので悔いのないように声でも出して帰りましょうか」
「東京!行けるのか!行けんのか!かかってこいよ!」と煽り、コール&レスポンスを繰り返しお客さんに叫ばせる。
早見さんのお口から「かかってこいよ!」なんて言葉が出てくるとは思わず、ちょっと笑ってしまいました。
高まったテンションのまま『僕らのアンサー』
ガッチリしたロック・テイストのサウンドの中を早見さんの力強い歌声が響き渡る。
所々、客席にマイクを向けてお客さんとのコール&レスポンスも交えながらライブを盛り上げていく。
続けて、全速力で駆け抜けていく勢いで『夏目と寂寥』
個人的にはこの曲がアルバムの中で一番好きなので、イントロでギターリフが始まった瞬間に両腕を上げて思わずガッツポーズしてしまいました。
ロックな楽曲を歌っている時の早見さんの歌声は本当にカッコいいですね。
ステージ上で軽くステップを踏んだりしながらも高らかに歌い上げていく姿で会場中を魅了していく。
「せ〜の!」と“見切り発車”をお客さんたちと一緒に歌うのは楽しかったですね。
まだまだ勢いは衰えず『where we are』へ。
“2度とない瞬間を楽しもう 全力で”と歌詞にあるようにハンドクラップを鳴らしたり、手を振ったりと客席も熱量高く、目一杯楽しんでいるように感じました。
またラスサビで“ときめきを君と見つけたい”を“ときめきを君と見つけたよ”に歌詞を変えていたりしていて。
会場の一体感がとても高かったと思います。
一転、少し緩めなナンバー『Blue Noir
ジャジーっぽくもあり、AOR感もあり、メロウな楽曲。
どこかアンニュイな感じもあって、音に身を委ねてゆらゆらと体を揺らす。
終盤、スキャットを多用した歌唱をしたりして、この曲で早見さんの真骨頂を垣間見ました。
ここまで凄いのか、この人は・・・と。
バンド・メンバー紹介も交え、各メンバーがソロを披露していく。
そこからさらにスキャットで歌い切り、その姿に心底震えました。
「最後の曲となりました」と告げ、次の曲へ込められた想いを語り出す早見さん。
「みなさんいろんな環境からこの会場の交差点へとお越して頂いたと思うのですが、同じ空気を共有して、同じ場所で偶然重なって、それがJUNCTIONになって。前も後ろもいろんな動きが全部自分自身でいいんじゃないかなって思える時が来たらいいな、と思って作りました」
『温かな赦し』
聴きながらそっと誰かに抱きしめられた時に感じるような、あるいは御日様の光をたっぷり吸い込んだ布団に包まれているような、慈しみ・思い遣り・人の体温・・・そんな優しい温もりに包み込まれる。
今、この瞬間を肯定されているように思え、目頭が熱くなる。
心が洗われる、浄化される、というのはこういうことなのかもしれない・・・なんて聴き終えてからふと思いました。
歌い終え、バンド・メンバーの演奏が鳴り響く中、ゆっくりとお辞儀をしてステージを降りていく早見さん。
メンバーも余韻を残すように演奏を終え、本編が終了。
 
アンコール。
「アンコールありがとうございます」と再びステージに早見さんが姿を現す。
「始まってしまうとあっという間ですね」と話しながら物販の話。
早見さん自身が実用的なものが好きだそうで、今回もそういったグッズ製作をしていることを話す。
そしてお知らせがある・・・そうなのですが、お知らせの内容を書いたカンペがなく「ちょっと10数えてもらっていいですか?」と慌ててステージ脇に引っ込み、カンペを取ってくるコミカルな場面も。
カンペを見ながら早見さんの誕生日である5/29にツアーお疲れ様でしたバースデーニコ生特番を放送するということと、本日の公演がBD&DVDで8/28にリリースされることが告知される。
さらに秋に、東京と大阪でライブを行うことも告知される。
「じゃあ本来のアンコールに戻りますね」とアンコールの1曲目はツアー会場毎に異なり、その地限定で各バンド・メンバーとのセッションを行ってきたことを話す。
大阪公演では黒須さんとかどさんのリズム隊と3人で『雨の水平線』を情念を感じさせる昭和歌謡なアレンジで歌われていましたが、東京公演はヴァイオリン保科さんと日俣さん、コーラス川崎さんと野田さんの5人で編成で。
その編成でお届けされたのは『eve』
早見さんの歌声とコーラスのハーモニー、ヴァイオリンによる優雅な音色。
混じり合って、縺れ合って、美しくて、原曲とはまた違った良さを引き出していました。
歌い終えてから、弦とコーラスのみというなかなかやらない組み合わせであることを話し、参加してくれたそれぞれのメンバーの良いところを述べて褒め称える。
「まだメンバーはおりますので・・・」と残りのバンド・メンバーをそれぞれ呼び込んでいく。
フル・メンバーが揃い、2年半ぶりとなった今回のツアーもいろんな方々の力に支えられて出来ていることを話す。
そして2年半の間に巡り合ったたくさんの縁に触れ、次に歌う曲が竹内まりやさんに提供して頂いたことを話し、繋がった縁が広がっていくことの幸せを噛み締めていることを述べる。
お客さんたちとも、いろんな偶然が重なってこうして一緒に会えたこと、この公演が終わるとまたそれぞれに別の朝(あした)へと向かって旅立っていくこと、そしていつかまた、それぞれの朝(あした)が偶然重なって、みなさんとお会いできることを夢見て・・・と語り『新しい朝』
希望と邂逅を感じさせる歌詞と温かな音色、情感溢れる歌声が体を駆け巡り、琴線に触れる。
また目頭が熱くなり、何度この人は私の心を揺さ振れば気が済むのだろうか?なんてことを思ってしまいました。
そしてそのまま『Bye Bye』へ。
別離を描いた楽曲ではあるけれど、とても爽やかで。
明るく希望の光を感じさせ、別れは新たな出逢いの始まりであることをひしひしと思わされる。
「一緒に楽しんで下さいまして、ありがとうございます」
「最終公演なのでもう1曲最後に歌います」
「とその前に、スーパーお礼タイムをしたいと思います。」
そう言ってステージ上に立つバンド・メンバー、裏方で支えてくれているスタッフ、プロデューサーら音源製作スタッフ、関係各位、両親や友人たち、そして今日観に来ているお客さんたちに、とそれぞれにお礼を述べる。
「また何処がでお会いしましょうね」と最後の曲は『To years letter』
“ほら笑って いつでも笑って / ああ泣かないで どうか笑って”
優しく微笑み、会場中を見渡しながら歌う早見さんの姿は神々しく、慈愛に満ちていて。
楽しくて、嬉しくて、温かくて。
また会いましょう、という想いに溢れているように感じました。
「ありがとうございました!」と歌い終え、捌けていくバンド・メンバーに惜しみない拍手を送る。
ステージ上に一人になり、上手・下手・中央と回り、1階席・2階席ともに噛みしめるように見渡しながら手を振り、声援に応え、お礼を述べていく。
最後に、ステージ脇でマイクを通さずに大声でお礼を述べ、ステージを去っていき、ライブは終幕致しました。
 
早見沙織さんのライブを観に行ったのは今ツアーの大阪公演が初めてで。
思い立って観に来た東京国際フォーラム公演。
とても華奢で可憐で、どこから出ているんだろう?と思ってしまう圧倒的な歌声を何度も目の当たりにして。
繊細でいて大胆、儚くも力強く。
発音の良さと音程やリズムの抜群の安定感。
どこまでも伸びやかで、刹那的にも思えて。
どんな色にでも染めることができるぐらい透き通った歌声。
CDや音源を聴いているだけでは伝わらない、わからない迫力と凄さ。
何度も鳥肌が立ち、全身が身震いをし、体の奥底から熱くなりました。
歌唱に関しては他の声優さんたちと比べて、圧倒的に基礎体力が違うのだとはっきりと思いました。
ソングライターとしての力量も垣間見え、末恐ろしさを感じつつももっといろんな引き出しを開けて、どんどん度肝を抜くような楽曲を作って欲しいなぁとも思います。
『白い部屋』や『祝福』を作りながら『メトロナイト』や『Blue Noir』のような曲も作ったり、こんなにも振れ幅のあるソングライターは稀少なように思います。
おまけにこれは大阪公演で語られていたのですが、ご自身の歌声を楽器の1つとして捉えられていることに驚きました。
あの巧さと歌声は武器になり得るのに、楽器として捉えているというのはソングライターとしての所以なのではないだろうか?と思います。
畏れ入ります・・・。
声優、という枠組みを超えてシンガーソングライター・早見沙織として、何処へと向かって行くのか?
何を作り出し、何を歌い、何処へと辿り着いて行くのか?
非常に興味は尽きません。
秋には東京と大阪でのライブを行うそうなので、また観に行かせて頂きたいと思います。
本当に素晴らしいライブを観させて頂きました。
 
 
 
Bass&Bandmaster:黒須克彦
Gitter:黒田晃年
Keyboard:角脇真
Drums:かどしゅんたろう
Violin:保科由貴&日俣綾子
Chorus:川崎里実&野田愛実
 
SETLIST
01.Let me hear
02.sercret
03.やさしい希望
04.夢の果てまで
06.SUNNY SIDE TERRACE
07.メトロナイト
08.白い部屋
09.祝福
10.HAYAMI inst (interlude:forgiveness)
11.星になって
12.琥珀
13.カーテン(新曲・1番のみ)
14.ESCORT
15.little forest
16.Fly me to the moon(Cover)
17.僕らのアンサー
18.夏目と寂寥
19.where we are
20.Blue Noir
21.温かな赦し
ENCORE
22.eve(with Violin:保科由貴&日俣綾子 Chorus:川崎里実&野田愛実)
23.新しい朝
24.Bye Bye
25.To years letter


早見沙織 2ndアルバム「JUNCTION」Trailer