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好きなことを、気ままに、好き勝手に、綴る。

音盤巡り 第2回『JUNCTION / 早見沙織』

私が聴いてきた、様々な音楽の中からアルバムを1枚取りあげて、アルバムに関する想いや聴いていた当時を振り返ってみたり。なぜこのアルバムが好きなのか?などなど個人的なことを綴っていく、それが音盤巡り。
 
第2回は早見沙織さん「JUNCTION」です。
新譜はあまりここで取り上げないように、と思っていたのですが・・・
アルバムを聴いてこれはぜひとも取り上げていかないと、と思いましてこのセレクトになりました。
早見沙織/JUNCTION (CD+Blu-ray盤/2枚組)

早見沙織/JUNCTION (CD+Blu-ray盤/2枚組)

 

早見沙織さん、声優さんとして活躍されており、声優さんが好きな方で名前を知らない人はいないかと思われます。

2015年より本格的にアーティスト・デビュー。

それ以前からアニメに付随するキャラソンなどで歌唱力の高さは方々で高評価されていました。

そんな中でのアーティスト・デビューし、今回は2枚目となるアルバムをリリース。

 

アルバム・タイトル「JUNCTION」が示す通り、様々な楽曲、多面性に富んだ内容のアルバムになっていて。
前作でのイメージとはまた違った面を引き出して来たなぁと思います。
幼い頃からジャズ・ボーカルをやっていた母親に指導されていたと言われる歌唱は歌声の良さ、抑揚の付け方、音程の正しさ、発声・発音の良さ、どこを取っても良くて。
前作よりももっと深く、歌えるようになったように思います。
 
収録されている楽曲も本当に多様で。
「Let me hear」みたいなファンクやソウルっぽさも感じる70年代〜80年代のロック・テイストなナンバーがあるかと思えば、「メトロナイト」のようなシティポップな感じもしつつ、どこかノスタルジックで80年代のポップスっぽい曲もあって。
「夏目と寂寥」なんてもうむちゃくちゃお気に入りの曲ですよ。
ギターのカッティングが綺麗で、早見さんの歌い方が良くて・・・音の切り方、符割り、強弱の付け方。
サビの“もうあなた あなた あなた”とか“邪魔しないで ごめんね”の所とかね。
極めつけは“やでれかぶれ 見切り発車”の所ですよ。
何度聴いてもゾワッとします。
「白い部屋」とか終末感を感じるような歌詞なのに、穏やかで。
悲壮感を感じない、というか。
早見さんの息遣いもしっかりと入っていて、美しさがあるように思います。
「祝福」も良い曲ですね。
歪な感じがするサウンドがとても良いなぁと。
歌詞は前向きなのに、あんまりサウンドからは前向きな感じがしないのがね。
本当に歪で。
なんならギターにディストーションめっちゃかけてる所あったりしますし。
「Bleu Noir」はメロウな感じで、コーラスが華やかさを出していて。
これも早見さん作詞作曲で、こんな引き出しも持ってるのか、と
「little forest」もシンプルさゆえの良さが溢れていて。
早見さんの歌声を際立たせつつ、優しい印象の曲。
最後、コーラスが右に寄ったり、左に寄ったり、真ん中にしてみたり、その遊びに耳がくすぐったくなりますね。
アルバムの最後に「温かな赦し」があることでこのアルバム全体が引き締まった感じがしますね。
多面性に富んだ楽曲ばかりで、まとまりがなさそうにも聴こえますけれど、この曲があることでまとまっているように思います。
肯定する曲、だからなのかなんだか聴いていると昔の自分が救われたような気がしてきます。
パパッとかい摘んで各楽曲に触れてきましたが、とても良いアルバムだということははっきりと言えます。
あと個人的なことですが「Let me hear」にScoobie Doのギタリスト・マツキタイジロウさんが参加されていて、本当に驚きました。
 
早見沙織さんは声優さんなので、シンガーと優れているのは頷けます。
しかし、彼女はそれだけではなくて。
ソングライターとしての才が如実に表れているのが今作だと思います。
アーティスト活動をしている時の早見さんはもはや声優ではなく、一人のシンガーソングライターなのだと強く思います。
あとですね、今作はMIXがとても良いですね。
歌声はもちろん、楽器1つ1つの音が目に見えるように音像がくっきりしている。
耳触りの良さ、とでも言いましょうか。
彼女の歌声の良さがしっかりと伝わってくる。
 
このアルバムは本当に多くの人に聴いて頂けたらなぁ、なんて思います。
サブスプリクション、ストリーミング配信もありますので、是非とも聴いてみて下さい。