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内田真礼「Magic Hour」ディスクレビュー

1st Album「PENKI」より約2年半ぶりとなる2nd Album。

約2年半、意外と経っているなぁと思いつつコンスタントにシングルのリリースが4作もあり、

なおかつミニ・アルバム「Drive-in Theater」をリリースしているので、なんとなく『あれ、まだ2nd出ていなかったんだ?』という感じもします。

既発シングル曲(カップリング含む)が6曲、新曲が7曲の計13曲収録。

新曲の割合がちょっと少ないかなぁとは思ったものの、アルバム全体を通して聴くとそれは取るに足らない問題でした。

 

M1「My Star is Here!!」からM13「Step to Next Star!!」までの曲順は実に見事な流れだと思います。

「ここ」から「次へ」

今とこれからを示すアルバム、というコンセプト通りの内容になっていると思います。

ナタリーさんの下記の特集によりますと、曲順は真礼さん自身が決められたそうで。

natalie.mu

彼女自身の物語を曲順を通して描いている、ということに曲順の良さに合点がいきました。

と同時にここまで出来るというのは彼女自身が確実な成長を遂げた証と言えると思います。

 

アルバム全体でやはり要となっているのはリード曲でもあるM7「セツナ Ring a Bell」

流麗なピアノのイントロで幕を開けるこの曲を軸として前半と後半でまったく雰囲気が異なります。

切なさを感じさせる曲ではあるものの、悲しみは感じられない。

むしろ一歩先へと踏み出す力強さを感じさせる曲だと思います。

恐らく「PENKI」リリース前後の頃の真礼さんにはこの歌は唄えなかったと思います。

歌うことの楽しさと、自分が何をしたいのか・・・

それを知り、見極め、成長したことで歌えるようになった曲だと思います。


内田真礼「セツナ Ring a Bell」MV short ver.(2nd album『Magic Hour』収録)

さて、ナタリーさんのインタビューで語られてしまっていますが、曲順について。

後出しにはなってしまいますが、特集・インタビューを読む前から一通り聴いた感じでは・・・

個人的にはM2「+INTERSECT+」からM4「Resonant Heart」までをシングル表題曲で固め、勢いのある出だしからM5「Agitato」とM6「ロマンティックダンサー」へ繋がっていく流れが前半で。

軸としてM7「セツナ Ring a Bell」を挟み、

ミドルテンポなナンバー揃いのM8「TickTack...Bomb」からM10「magic hour」までが後半と捉えていました。

M11「c.o.s.m.o.s」からはまた別の次元に行っている、と感じたわけですが・・・

インタビューでの曲順の話が私が感じたことと似たようなことを話されていて「ああ、やっぱりそうだったのか!」と独り合点しております。

 

曲について。

正直に書きます。

良い曲だと思いますがM5「Agitato」に関してはイントロのホーンセクションがどこかで聴いたことのあるような既視感を覚え、作曲者を見て納得。

伊藤美来さん「Shocking Blue」と同じ作曲者さんでした。

曲もメロディもまったく違うのに、ホーンセクションで他の曲を連想してしまいました。

両方の曲を知っているからこそ、引っかかってしまったのかもしれません。

良くないと言っているわけではありませんので悪しからず・・・

  

 M6「ロマンティックダンサー」は聴いていると頭に映像が浮かんできますね。

ダンサーが扇子を持って踊り客席を煽っていて、真礼さんが少し濃いめのメイクをして、色気を漂わせるような衣装を着て、ガイコツマイクを握り締めながら歌う構図の映像が脳裏に浮かびました。

それぐらい華やかで、ダンサブルなナンバーだと思います。

M10「magic hour」はタイトル曲であることを除いても、このアルバムの中でもう1つの要と言える曲ですね。

アーティスト・内田真礼として、ファンへの、スタッフへの、身近にいる大切な人達への想いに溢れた楽曲で。

積み重ねてきた経験と、共に歩んでくれる仲間がいるから、歌える曲なんだと思います。

作曲・編曲された黒須克彦さんのセンスが煌めく、素敵な曲です。


内田真礼「magic hour」試聴ver.(2nd album『Magic Hour』収録)

そしてこの曲からのM11「c.o.s.m.o.s」の流れは『してやられた』感満載です。

改めて「c.o.s.m.o.s」という曲の凄さを思い知らされます。

歌い出しからメインの歌声の後ろに囁くような歌声が聴こえてくるって、反則だと思います。

さすが、クラムボン・ミトさんが編曲に携わってるだけあって変態的です。

M12「take you take me BANDWAGON」は疾走感のあるロックチューンですが、ただそれだけの曲ではなくて。

この曲も恐らく「PENKI」リリース前後の真礼さんでは歌えなかったであろう曲だと思います。

技術的、というだけでなく彼女自身がどういうアーティストになっていきたいのか?

それを思い描くことができるようになってきた今だからこそ、歌える曲なんだと思います。


内田真礼「take you take me BANDWAGON」試聴ver.(2nd album『Magic Hour』収録)

M1「My Star is Here!!」とM13「Step to Next Star!!」に関してはZAQさんのソングライティング力が遺憾無く発揮されている曲ですね。

特にM13「Step to Next Star!!」は真礼さんの想いをしっかり汲み取られていて。

この先、彼女はさらにどうなっていくのか?

どんな世界を築き上げ、どんな色で世界を塗り潰し、どんな歌を唄っていくのか?

期待とワクワク感を胸に抱かせる、素晴らしい曲だと思います。

 

長々と書いてきましたが、内田真礼さんの今とこれからを詰め込んだというのに間違いはないアルバムだと思います。

本当に前作「PENKI」から大きく成長を遂げた今だからこそ、唄える曲が満載です。

このアルバムを引っさげてのツアーを夏には行い、そしてさらにその先へと進んでいく。

その時、彼女はどう変化して、さらにどう成長していくのか?

楽しみですね。

Magic Hour【BD付限定盤】(CD+BD+PHOTOBOOK)

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